リモートワークは新型コロナウイルスの感染拡大により、一気に普及率が高まってきました。会社も従業員の安全確保のため、リモートワークの推進を必死に進めていますが、悩ましいのが従業員のリモートワークサボり問題です。
ただし、管理側である上司も部下の自宅に監視カメラを設置するわけにもいかないので、部下の行動を全て把握することは難しいです。
どうしても「~さんはサボってるのではないのだろうか?」といったように部下を疑ってしまうこともある事でしょう。
また部下の立場である人も「暇だしサボっちゃおう」「仕事が終わってすることもないし、Youtubeでも観るか」といった具合で、どうしても誰にもみられていない環境ですとサボりがちです。
慣れてくるとサボり癖もついてしまいます。
ただし少なからず罪悪感もあるのではないでしょうか?
そこで今回は、リモートワークのサボり問題について原因と防止策を解説します。
この記事を読むことで、サボってしまう部下へ悩む管理側の方も、ついついサボってしまう人もリモートワークに対して見直すきっかけになります。
サボる人はなぜサボってしまうのか?
そもそも、サボり問題というのは今に始まったことではなく、カフェやパチンコ屋などでサボっているサラリーマンは昔からいました。
場所が変わっただけでサボっていることには変わりありません。
よって、リモートワークだからサボるのではなく、サボる人はどこにいても、もしかしたら会社にいてもサボっています。
サボっている人に問題があるように思えますが、当然会社側にも考えるべき要因があります。 主に以下のような要因が考えられます。
誰にも見られていないから
小中学生時代にたまにあったと思いますが、先生が用事で抜けたりして、「自習をしときなさい」といったことがあったかと思います。
全員が全員、自習をきちんとしていたでしょうか?
少なからずサボってしまうことがあったのではないでしょうか?
人間は自分に甘いので、誰にも見られていない環境では楽なほうに逃げてしまいます。
リモートワークも誰にも見られていない環境がほとんどです。
ただし、テストで結果を出せるのは、そういう状況でも自分を律して自習に取り組むことができる生徒ではないでしょうか。
そして、そういった環境でもモチベーションの高まる自習を与えるのが先生(管理側)の力です。
業務量不足によって暇である
たとえリモートワークとはいえ業務が忙しくてサボる暇がなければ、サボればサボるほど仕事が終わらず、家で残業をする羽目になり、自分の首を絞めるだけです。
だからサボれるのは、単に「暇だから」できることです。
暇な従業員は業務量が不足している可能性があります。
モチベーションが低いから
例えば成果主義ではない会社の場合、 いくら頑張っても評価が変わらなければ、誰にもみられていない環境で、暇であれば、どうしてもサボりがちです。
また根本的に仕事が好きじゃない、楽しくないなどの原因も考えられるでしょう。
管理側が考えるべきサボり防止対策
サボってしまう人のサボり要因を並べてみましたが、モチベーションを高く保つことができ、適正な業務量を与えることで、 リモートワークであってもなくても、従業員に高いパフォーマンスを発揮してもらえます。
モチベーションが低い従業員に起こりうるサボり対策を解説していきます。
コミュニケーションを積極的に取る
誰にも見られてなく、暇な状態となってしまうリモートワークに孤独を感じる従業員もいます。 特に新卒の若手社員は仕事を自分で組み立てることができず、何をしていいか分からず、「自分は必要ないんじゃないか」と不安になってしまいます。
若手社員が自分から先輩や上司にコミュニケーションを取ることに抵抗があるかもしれません。ぜひ上司の方から積極的に部下とコミュニケーションを取ってください。
例えば、以下のように定期的にコミュニケーションが取れるようにしましょう。
- オンライン朝礼・昼礼を行う
- グループチャットを活用する
- 個別面談(1対1など)を定期的に行なう
朝礼の効率性はいったん置いときますが、これまでリモートワーク導入前は朝礼や昼礼を行っていた企業もリモートワークの導入により、朝礼がなくなってしまった会社もあるかと思います。オンラインでも朝礼・昼礼を行い、仕事の話だけではなく、雑談も交えたコミュニケーションをオススメします。
あくまで一例なので、それぞれの企業にあったコミュニケーションのスタイルを模索することが大事です。
業務内容の見直し
業務内容の見直しをおこない、暇な従業員に新たな業務を依頼することで、従業員のモチベーション向上につながり、サボり防止に繋がります。
また業種によっては出社とリモートワークを併用するハイブリッド型でリモートワークを導入する企業も多いです。
そこで注意したいのが、会社によっては出社している従業員とリモートワークをしている従業員で業務量に差がつくことがあります。
たとえば、顧客からの電話を事務所の固定電話で受けている会社は、リモートワークの導入により、出社している従業員が通常より少ない人数で電話対応を行わなければいけません。
電話対応に追われる従業員をリモートワーク組が別の業務でサポートできるような工夫が必要となります。
評価体制の見直し
モチベーションの低い要因として、古い日本型の評価体制の問題も考えられます。
年功序列制など、いくら頑張っても評価が変わらない制度であれば、誰にも見られてないリモートワークでは、モチベーションが上がらなくなる従業員が出てきてしまいます。
たとえば成果主義を導入すれば、やった仕事に対する評価が明確になるため、従業員のモチベーション低下を防ぐことができます。
それぞれの会社に合った評価制度を見直してみてはいかがでしょうか。
稼働状況の確認ができるツールの確認
従業員のモチベーションを向上することでサボり防止となることが一番ですが、それでもサボり続ける従業員がいるかもしれません。
そういった従業員への対策としては稼働状況が確認できるツールを導入することもオススメです。
例えば、「MicrosoftのTEAMS」 では それぞれの「在席中」、「退席中」、「会議中」、「取り込み中」、「休暇」といったステータスが一目でわかるようになっております。
最新のWindows では標準搭載されており、チャットやオンライン機能も搭載しており、リモートワークに導入しやすいツールとしておすすめです。
ただし、PCカメラで監視するような監視ツールは従業員のストレスやモチベーション低下につながる可能性があるので、どういう監視ツールを使うかは慎重に検討しましょう。
サボってしまう人(従業員側)が意識すべきこと&対策の4点
ここまで上司などの管理者側からの視点でサボり対策について解説しましたが、なんといっても働く従業員それぞれの意識が重要です。そこでついついサボってしまう人が意識すべきことと対策について解説します。
意識すべきこと①:給料は会社から出ている
多くの人は9時から18時までといった決められた時間で業務を行うことを条件に会社と労働契約を結んでいるかと思います。 会社にバレさえしなければサボっているあなたにも給料が支払われますが、はたしてそれで良いのでしょうか。
給料が低いなどの不満もあるかもしれませんが、もし独立すればサボっていてもお金は入ってきません。そういった点ではサボっても給料を払ってくれる会社って天国です。
少しでも給料もらっているありがたみを感じて、サボろうと思っても踏みとどまってください。
意識すべきこと②:サボった分はすべて自分に返ってくる
自分がサボってしまうことで業務が終わらず、他のメンバーに迷惑をかけてしまったり、お客さんを待たせてしまったりと、結果的に評価が低くなって自分に返ってきます。
またやることがないからといってサボっていても、上司は気づいているかもしれません。
サボっている人よりも、誰にも見られていないところで努力できる人の方が評価されて、やがて成功していくのは当然です。
サボり癖がついている人は努力している人と圧倒的な差がうまれて、その差が評価につながり、給料に表れて返ってきます。
対策①:1日のタスクを決める
リモートワークを開始する時に1日のタスクを決めましょう。
朝起きたらやる気が出ないという人は前日に翌日のタスクを決めるのも良いでしょう。
そして決めたタスクを上司に報告しましょう。
そうすれば「こいつはできるな」 と上司から高く評価されますし、報告した以上「やらなければいけない」と自分自身へプレッシャーをかけることで、サボり対策になります。
タスクを決める際はなるべく細かい時間単位で設定することで効率性が良くなります。
またタスクの間に小休憩を設けることで、メリハリを付けることができます。
1日のタスクを決めることで上司から高く評価され、メリハリのある働き方で効率性がアップすれば、仕事のモチベーションが高まります。
対策②:時間が余った時に行なうことを決める
タスクを決めることをオススメしましたが、決めたタスクだけではスケジュールが埋まらないという人もいるでしょう。そこでサボるのではなく、自分のスキルを向上する時間にしましょう。
例えば、以下のようなものがあります。
- タイピング練習
- エクセル、ワード、パワーポイントなどのOSスキル
- 仕事に関連する資格
- 読書 ※出来る限り仕事に関連するもの
ただし上司とよく相談することをオススメします。
一見、真面目そうな取り組みですが、勝手に行なうと業務に関係がないとみなされる可能性があります。 事前に相談しておけば、上司に「向上心があるな」と評価されますし、新たな仕事をもらえる可能性もあります。
まとめ
リモートワークのデメリットとして挙げられるサボり問題について、 管理者側と従業員側からの視点で解説しました。
リモートワークは確かにサボりやすい環境ではありますが、リモートワークという環境が直接的な原因ではないことがお分かりいただけたのではないでしょうか?
どこで働いてても高いパフォーマンスが発揮できるような体制を管理者側と従業員側のお互いで作っていきましょう。